2010年3月26日
オールスパイスと言えばジャマイカ。
オールスパイスはミックススパイスではなく、シナモン、クローブ、ナツメグの香りを合わせ持ったスパイスです。
このスパイスは16世紀後半、スペインの探検家によって、ジャマイカ諸島で発見されて、ヨーロッパに渡ったそうです。
(発見と言っても古代マヤ帝国時代から現地では使われていたとのことなので、ヨーロッパ側からみた発見ということですが。)
ジャマイカではお肉や魚料理、そしてパンやスイーツにもオールスパイスが使われていますが、元々はそれほど多用されていたわけではなく、開拓時代は移住したスペイン人の人たちの間でもっぱら使われていたとか。
それというのもシナモン、クローブ、ナツメグは、東洋原産で手に入りにくく高価だった為、これらの代わりに料理にお菓子にと使われていたそうです。
しかも、身近に手に入り、きっとずっと安価であったと思われるこのスパイス。
ヨーロッパから移住してきた人々にとっては、宝物が手軽に手に入る!というような感覚だったのではないかな〜と想像します。
ここぞとばかりに喜んでオールスパイスを使った料理やお菓子を作っていたかもしれない、と、空想が広がります。
その後のイギリスの統治の時代も料理にはよくつかわれていたようで、このバナナプディングは、作り方から想像してたぶんイギリスの”プディング”が元になっているように思います。
カスタードプリンではなく、卵の入らないずっしりと重いケーキのようなプディング。
これにもしっかりとオールスパイスが使われます。
しっとりと濃厚なバナナとココナッツの甘さの後に、ふわっと広がるオールスパイスの香り♪
日本で見かけるのはさつまいもを使ったものですが、バナナのデザートが豊富なジャマイカらしく、レシピではたっぷりのバナナをベースにラム酒を加えて作りました。
ジャマイカ的食材を使い、スペイン人が発見したスパイスを加えたイギリス風のデザート。
う〜ん。なんか歴史がギュッと詰まったスイーツですね。
これにはやはりブルーマウンテンコーヒーを。
プディングといってもしっかりケーキのようなのでコーヒーにぴったり。
それでは、おうちでジャマイカのカフェ気分になってくださいね!
材料:19.5×15cmのバット1台分
バナナ 2本(約250g)
★砂糖 大さじ2
★オールスパイス 小さじ1/2
★薄力粉 1/2カップ
★レーズン 大さじ2
ラム酒 小さじ1
ココナッツミルク 1カップ
作り方:
1、バナナは皮をむいてボウルに入れ、フォークや泡たて器で押しつぶす。
2、1に★を入れて混ぜ合わせ、まんべんなく混ざったら、ラム酒とココナッツミルクを加えて混ぜる。
3、バター(分量外)を塗った型に2を流し、あらかじめ温めたオーブントースターで15分、型からまわりが浮き、真中を指で押して抵抗があるまで焼いたら出来上がり!
*型はグラタン皿やタルト型などでOKです。