前回はクミンパウダーを使って、イタリア料理がモロッコ風に変身！しましたが、今回は南米風です。
クミン風味のミートソースで、お手軽南米料理を3品！
メキシコ料理のチリコンカン、南米の代表的なスナック、エンパナーダとタコス。
専用のシーズニングなどを使用しなくても、クミンを使えばバッチリ南米風になります。

クミンはエジプトが原産国なのに、どうして南米に渡ったかというと、それは大航海時代。
胡椒を求めて大海原にのり出した人々が、南米にクミンをもたらし、ヨーロッパには胡椒の代わりに唐辛子をもたらした、と言われています。
南米独特の料理で良く使われているので、昔から南米にあるスパイスのように感じますが、クミンの歴史から考えるとつい最近のことなんですよね〜。
スペイン料理の影響を受けて、今私たちが南米料理として食べている料理になったわけです。

そして前回「ホールの使い方はパウダーとは違う」と書きましたが、どう違うかと言うと、ホールの場合はまず「オイルにクミンを入れる」という手順。
パウダーの場合は調理の途中で調味料のように加えますが、ホールの場合は調理のはじめにまずオイルに香りを移すように加えます。
これはインド料理でも同様で、ホールの場合、パウダーのようにすぐに香りが広がるわけではなく、じっくりと浸出させる必要があるからです。
じっくりと低温で引き出した香りは力強く風味豊かで、パウダーとはまた一味違った奥行きが出ます。

ただ、焦がすのは厳禁。せっかくの香りが台無しになってしまいます。
なので私はつい焦がしてしまうのを防ぐために、オイルに玉ねぎなどはじめに炒める野菜と一緒に加えるようにしています。
こうすると温度が上がりすぎずに加熱出来て、玉ねぎがしんなりする頃には素晴らしい香りが！
このかぐわしいミートソースを味わってくださいませ。

南米風ミートソース

材料：１と1/2カップ分
玉ねぎ　1/4個
にんにく　１かけ
サラダ油　大さじ1
クミン（ホール）　小さじ1/8
オレガノ　小さじ1/2
合挽き肉　100g
Ａ塩　小さじ1/4
　胡椒　小さじ1/8
　パプリカパウダー　小さじ2
Ｂトマト缶（カットタイプ）1カップ
　水　1/4カップ

作り方：
１、玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。
２、深めのフライパンか厚手の鍋にサラダ油と１、クミンとオレガノを加えて中火にかける。玉ねぎがしんなりするまで炒めたら、ひき肉を加えてぱらりとするまで炒める。
３、２にＡを加えてまんべんなく混ざったら、Ｂを加えて弱火にし、15分ほど、油が浮いて来るまで煮込んで出来上がり！

＊辛さはほとんどありません。辛いのがお好みの場合は、クミンと一緒に唐辛子のホールを加えるか、Ａと一緒にレッドぺパー（パウダー）を加えると良いです。

＜アレンジ1＞
チリコンカン
材料：1人分
上記のミートソース　1/2カップ
キドニービーンズ（水煮またはドライパック）1/4カップ
水　1/4カップ

作り方：
全ての材料を鍋に入れて中火にかけ、8分ほど煮込んで出来上がり！

＊ミートソースを作る際に、Ｂと同じタイミングで豆を加えても作れます。

＜アレンジ2＞
エンパナーダ

材料：8個分
ゆで卵　1個
ブラックオリーブ　4粒
上記のミートソース　1/4カップ
餃子の皮（大判）8枚
サラダ油　適量

作り方：
１、茹で卵は殻をむいて8等分のくし形に切る。ブラックオリーブは水気を切って半分に切る。ミートソースは冷ましておく。
２、餃子の皮にミートソースを小さじ１くらいずつのせ、ゆで卵1切れ、ブラックオリーブ半分に切ったもの1つを乗せて、餃子を包む感覚で閉じる。8個同様に作る。
３、フライパンにサラダ油を多めに入れて中火で熱し、２を入れて両面こんがりと焼いて出来上がり！

＊本来はパイ生地で作り、オーブン焼きや油で揚げて作ります。ここではお手軽に。

＜アレンジ3＞
タコス

材料：2個分
レタス　1枚
上記のミートソース　1/2カップ
シュレッドチーズ（そのまま食べられるもの）大さじ2
市販のフラワートルティヤ　2枚
＊手に入らなければこちらのレシピで作っても。

作り方：
１、レタスは細切りにする。
２、フラワートルティヤに１のレタスの半量とミートソースの半量、シュレッドチーズ大さじ１を乗せて半分に折る。もう一つも同様にして出来上がり！

＊具はお好みで色々アレンジしてください。アボカドやトマトなどもよく合います。