2018年3月をもって連載を終了させていただきました。
たくさんの方にご愛読いただきましてありがとうございました。

連休だからちょっと手間をかけて「春のちらし寿司」

  
ゴールデンウィークはちょっと手間のかかる料理もチャレンジするには絶好の機会です。今回は干し椎茸や干瓢を時間をかけて戻したり、ダシも鰹節を削るところからしっかりやってみたりと、のんびり料理。既製の調味料や出来合いの物とはひと味もふた味も違う、自分だけのオリジナルの味を作ってみました。


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まずは干し椎茸を水で戻します。天日で干された良質の椎茸は水に浸し冷蔵庫でゆっくり二晩かけて戻します。刻んでしまうので、少しリーズナブルな傘が欠けてしまってるものを利用。


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使用するダシはまずは本枯節をシュッシュッと削るところから。パックのものと比べたらやっぱり香りも旨味も段違い。


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ダシを取り終えた鰹節も、今回はちらし寿司の具材にします。水気を飛ばし、砂糖と醤油を加え、油で炒めて自家製ふりかけに。これだけでもゴハンが何杯でもいけます。


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干瓢も半日ほど水で戻し、鰹ダシと醤油と砂糖でしっかり煮詰める。これだけをつまみに日本酒を呑むのもなかなかいけます。


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春の味覚の代表「タケノコ」と、旬の山菜「こごみ」を加えます。こごみはクサソテツの若芽。長野の実家から摘みたてをいただきました。


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具材を一通りを揃えるのに三日を費やし、揃ったのがこちらの6品。

左上:タケノコを鰹ダシと醤油で煮たもの
中央上:干瓢を鰹ダシと醤油と砂糖で煮たもの
右上:塩ゆでしたエビ
左下:干し椎茸を醤油と砂糖で煮たもの
中央下:塩ゆでしたこごみ
右下:ダシを取り終えた鰹節を醤油と砂糖で炒ったもの


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具材が甘めなので、酢飯は砂糖を加えず、酸っぱめの仕様にして作ったら、具材を酢飯に散りばめて、ちらし寿司完成!時間をかけただけあって、深い味わいと、達成感で大満足の一品になりましたー。


<材料>4人分
・干し椎茸 30g
・干瓢 30g
・こごみ 60g
・エビ(ブラックタイガー) 6尾
・タケノコ 60g
・本枯節(ダシ汁用) 適量
・醤油 適量
・砂糖 適量
・米 2合
・酢 適量
・塩 適量
・サラダ油 適量

※干し椎茸、干瓢、本枯節は伊勢音さんのものを使用してます。どれも良質な天然のものなので味が良く安心な素材なのでおすすめです。


<作り方>
1)干し椎茸は2日かけて水で戻し、戻し汁と醤油大さじ1、砂糖大さじ1で煮詰める。一晩冷蔵庫で寝かし味を馴染ませる。
2)干瓢は半日かけて水で戻したら絞り、ダシ汁1カップ、醤油大さじ1、砂糖大さじ1で煮詰める。一晩冷蔵庫で寝かし味を馴染ませる。
3)タケノコは細かく刻み、ダシ汁1カップ、醤油大さじ1/2で煮る。一晩冷蔵庫で寝かし味を馴染ませる。
4)エビは下処理し、塩ゆでする。
5)こごみは塩ゆでしたら冷水にさらし、水気を切る。
6)だし汁を取り終えた削り節は、醤油小さじ2、砂糖小さじ2を加え、少量の油で炒め、水気を完全に飛ばす。
7)お米を炊き、酢と塩で酢飯を作る。
8)器に酢飯を敷き詰め、細かく刻んだ具材を散らしたら完成。
※)出来立ても美味しいですが、混ぜて一晩寝かせて全体の味を馴染ませても美味しいです。

こういった時間をかけて、素材を丁寧に作りあげてく料理は、懐かしい田舎のおばあちゃんの味に近くなり、ほんわかした幸せな気持ちになるから不思議。集まった友達もみんな故郷を思い出しました。



Higuccini

美大を卒業後、IT企業のデザイン部門に長年勤務。4年前から料理ブログを始め、お休みの日は朝から晩まで料理三昧。男の料理の持つ美味しさのシズル感を大切に日々ブログ「The Last Order」に綴る。

2011年に独立、「Kitchen Studio HIGUCCINI」を設立し料理研究家としてレシピ開発や食や生活に関するWebサイトのクリエイティブを行う。

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