2017年7月をもって連載を終了させていただきました。
たくさんの方にご愛読いただきましてありがとうございました。

風邪予防に!5分で簡単ねぎだくスープ

  
今年は寒くなるのが遅かった感じですが
11月も半ばになってぐぐっと冷えて、空気も乾燥してきました。

今年の冬は平年より寒くなるとも言われていて、
インフルエンザをはじめ、風邪予防も気になる時期ですね。

薬膳の元となる中医学では 風邪は風や寒さ、
乾燥などの邪気が体内に侵入し
肺をはじめとした臓腑の機能を犯すことで諸症状が出ると考えます。

そのため、この邪気の侵入を防ぐことが大切。

また邪気が侵入してしまっても体の奥深くに入る前、
ひき始めに撃退することが肝心です。

まず、邪気の侵入を防ぐためには、
体の表面を流れる「気(衛気)」を強くすることと
発汗を促して体表にある邪気を取り除く食材がお勧めです。

この発汗を促す食材は薬膳では「解表類」と言われる食材で、
葱や生姜、大葉、香菜、ミントなどがあります。

今日はこのうち、葱や生姜をたっぷり使った
風邪予防にお勧めのスープのレシピをご紹介します。

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<風邪予防の葱だく香味スープ>

◎材料◎(2人分)
長ネギ:2本
生姜:1片(10g)
帆立水煮缶:小1缶(固形量70g)
酒:大さじ1
昆布茶:小さじ1
水:300cc
大葉:10枚
薄口醤油、塩:各少々(お好みで)
水溶き片栗粉:適宜

①長ネギは斜め千切り、生姜は千切り、大葉も千切りにする。

②長ネギと生姜を鍋に入れて塩ひとつまみをまぶし、ふたをして弱火にかける。
  
 蒸気が上がってきたら酒、を加え、再び蓋をしてしんなりするまで2〜3分蒸し煮にする。

③帆立缶を汁ごと加え混ぜ、水、昆布茶も加えて
 ネギが柔らかくなるまで5分ほど煮る。

④味をみてうすければ薄口醤油か塩で整え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
 器に盛り、大葉を乗せてどうぞ!

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一人分1本のたっぷりの葱を、弱火でじっくり甘みが出るまで蒸し煮にするのが
おいしさのポイント。

5分のクイックスープですが、ネギの甘みと帆立の旨みで
深みのある味わいです。

水溶き片栗粉でとろみをつけることで、より体を温める効果もアップします。

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プラスαのアレンジもいろいろ・・・

豆腐を最後に加えれば肺を潤し咳を和らげる効果が。

仕上げに胡椒をパラリで、内臓からの温め効果がアップ。

帆立を加えるタイミングで干し椎茸(2〜3枚)の千切りを加えると
うまみアップに加えて、体を守る「気」の力をアップさせることができます。

ご飯を入れてスープご飯にしても、やはり「気」の力がアップ!
朝食にもおすすめです。

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葱は薬膳では葱白(そうはく)といって生薬としても使われます。

体を温め発汗を促し、体の潤いも補う作用があります。
気の流れを促す働きもあるので、
血行をよくして冷えや冷えからくる痛みを和らげる働きもあります。
(血は気に先導されて流れるため)

冷え症の方や風邪のひき始めでぞくぞくする方にお勧めの食材です。

大葉もネギより軽いですが発汗作用があり、
風邪の初期の頭痛を和らげる働きもあります。

生姜も同じく発汗作用と血行促進作用があり、
消化促進や胃腸の働きをよくする作用もあるので
食欲がないときにも。

今日のレシピはこの3つの合わせ技で、ばっちり風邪対策スープとなりました。

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*本日の薬膳食材
葱(葱白)

性質:温・辛
帰経:肺・胃
分類:辛温解表類

今日も見てくださってありがとうございました!
よかったらブログの方も遊びにきてくださいね♪

SAI dining* http://ameblo.jp/fani0912/


清水えり

中国政府認定資格である国際中医薬膳師の資格をもつ。身近な食材でおうちで簡単にできる薬膳をモットーに、中医学の理論に基づいてパーソナルな体質に合わせた料理や献立の提案が得意。定期的に料理教室「La Table de Eri」を開催。

ブログ「SAI dining」も好評執筆中。

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