2010.06.04up text rumiko igaki photo Higuccini
〔インタビュアー(以下イ)〕
こんにちは! はじめまして。お写真やレシピの雰囲気から、最初はイタリアンのお店の方だと思っていました。
〔Higucciniさん(以下H)〕
そう思って頂けるように頑張っています。本業はデザイナーでクリエイティブ関連の仕事をしています。
小さな頃から食いしん坊だったので、とにかく料理して作っては食べて、そうやって遊んで大きくなりました。とくに餃子が大好物で、子供のころは母親が作る餃子を包んで手伝う良い子でした。その動機も大好きな餃子を、とにかくたくさん食べたかったんですよ(笑)。しかも、焼き上がるとすぐツマミ食いしてました(笑)。
でも、料理は特に習ったわけでもないんです。見よう見まねで母親の手伝いをしていたのが原点です。
ブログをはじめたきっかけは、週末に料理を作っていて、妻に「まるでお店で食べてるみたい、せっかくだから写真を撮ってブログ始めたら?」と勧められたんです。今はイタリアンを中心にアップしていますが、テーマは正直、そんなにはっきり決まってはいなかったんです。自分で作って楽しんで、見てるだけでも美味しいっていう、そんな記録を残したくてスタートしました。
〔イ〕 そうだったんですね。お写真を見ているだけで、きっとこのブログは“大通りから一本外れた小道にある、木の温もりを感じるイタリアンレストランなんだ・・・”って、想像力を膨らませてましたけれど、実は餃子から始まったわけですね!
〔H〕 そうなんです。ブログのタイトルは、「最後にまた食べたくて、注文しちゃう! 」っていうテーマを持たせていて、「ラストオーダーです」ってお店の方に言われると、さっき食べたものが美味しかったからもう一度頼んじゃおうってなるじゃないですか? そんな料理を心がけながら作って、いつもアップしてます。
〔イ〕 ブログをアップする時に工夫されている点は? 結構こだわってそうな気がしますが・・・。
〔H〕 凝ったりこだわったりせず、ブログに上げる時間は15分くらいで簡単に済ませてます。 アップする時にも時間も掛かってないですし、強いて言えば写真をかっこ良く撮るってことでしょうかね。
〔イ〕 カメラは何を使っていらっしゃいますか?
〔H〕 EOS Kissですね。キスデジを使ってもう5年くらいです。それから撮影用のライトも使って光も調節しています。写真は何カットも撮っていて、ここはちょっとこだわっているかも。
〔イ〕
なるほど。料理をする時間は?
〔H〕
飲んだりしながらですが、30分くらいでほとんど作ってます。
メニューは、だいたいこんな感じにしようかなって考えてはいますが、その日の食材でメニューを考えてます。スーパーで見て思いつく事が多いです。スーパーにお目当てのものや、ピンと来るものがなかったら、少し遠くのスーパーに行ったりして食材探しにぐるぐるまわります。使った事が無いものを使いたいので、色々なところを見てまわっています。
〔イ〕 ブログのイタリア語は調べているんですか?
〔H〕
はい、インターネットの辞書とかで調べて、こんな感じでいいかな? と適当です。
たぶん文法とか意味とかは違うものもあるかと思いますので、参考にされる方はご注意ください。
料理はレシピ本自体はあまり見なくて、写真とかで、大体こうやっているんだろうな、と考えて、想像して作っています。実は、イタリアには行ったことないんです。イタリアからのブログをアップしていらっしゃる方は、さすが本場の本物だと、とても尊敬しています。文化や地域性がとても表現されていて、すばらしいブロガーさんが多いです。
〔イ〕
そうだったんですね。イタリアにも何度も足を運んでいらっしゃる雰囲気、充分出してますよ。
ブログを始められてから変化は?
〔H〕 色んな食材を試すようになりました。自分の引き出しが非常に増えていって、想像力がかきたてられるなあと思いますね。
〔イ〕 料理ってクリエイティブですからね。
〔H〕 調子に乗ると作りすぎてしまい、食べ過ぎて太ってしまうのが困ってます(笑)。それと、どうしても高い食材を使いたくなって、材料費が掛かってしまうところが悩みです。実は、中華も大好きで、肉饅や小籠包って訪れる友達にも人気メニューだったのですが、油を多く使うので、このごろは控えることにしてます。
〔イ〕 今日、インタビューを一緒に聞いて下さっている、奥様から見て良かったことは?
〔奥様〕 主人が週末は料理を作るようになったので、まるまる料理をしなくて良くなったことですね。平日は逆に、イタリアンなどの洋食はまったく作れなくなりましたけれども・・・。
〔イ〕 週末、まったく料理をしないでいいのは、嬉しいですよね。それに男性が作る料理ってパスタだったらパスタだけとか、どうしても主食に偏りがち。でもHigucciniさんはドルチェやパンも作っていらして、そこが凄いなって思います。
〔H〕 友人とかを招く時は見た目にも凝ったコース料理になるような感じで作っています。
〔イ〕 見た目を綺麗に、って考えるのはデザイナーさんらしいですね。ブログを続けていて大変なことはございますか?
〔H〕 あまりないですが・・・。 健康診断でちょっとメタボぎみで引っかかってしまって。さすがに35歳過ぎて、やばいなって思っています。料理はなるべく肉より野菜や魚を使うように注意してます。 でも、ブログを健康志向には寄せたくないので、肉は控える形で。わがままですけれど。
〔イ〕
Higucciniさんのブログは他の方と違って、写真と材料以外はまったくご自身の話など無いので、ちょっと驚きですが。実はそんな裏事情もあるんですね。
ご自身でブログをやっていて、イメージしているお店とか人っていらっしゃいますか?
〔H〕
トルッキオの林亨さんの「DEEP PASTA」って本は、あまり知らなかったパスタのことが書いてあり、とても参考になりました。
それから料理番組が好きで観ていますね。TV朝日の「食彩の王国」とか、BS日テレでやっている「小さな村の物語」など。
小さな村の物語はイタリアの本当に小さな村の食生活や文化を知ることができて、あれは好きですね。
それから、自分の中では、お皿ひと皿いくらって考えてやっています。いつも、ひと皿1000円は越えるように! って。
〔奥様〕 たまに、ふっかけられますけれどね(笑)。
〔イ〕 ちなみに、今インタビューしているHigucciniさんのお家のキッチンやテーブルもとても素敵で、本当にお店のようですね! このテーブルの大きさでしたら週末限定でお店を開けそうですね。
〔H〕 テーブルは、本当にお店っぽく、人を招いて食事をすることができるようにこのサイズにしたんですよ。ブログを始める前は会社の同僚などを呼んで忘年会とかやっていましたが、ブログを始めたらブログに集中しすぎてしまって(笑) 最近、まったく招待しなくなってしまいました(笑)。 ワイングラスも10個以上あって、みんなに使ってもらっていたのに、最近はふたつで充分で・・・。みんなで集まって、飲んで食べてっていう家を考えて作ったんですけどね・・・。
「奥様を喜ばせたいから料理をしている」と語るHigucciniさん。女性でも男性でも、誰かを喜ばせたい気持ちを料理で表現するっていうのは一緒なようですし、女性としてはそんな男性が増えていったら嬉しいと思います。
ちなみに男性の得意料理は「チャーハン」「カレー」「野菜炒め」が定番と言われていますが、Higucciniさんしかりレシピブログの男性ブロガーさんのみなさんはそれらを遥かに越えたプロ並みの腕前の方が数多くいらっしゃいます。お話を聞いていても、こだわりや追求するHigucciniさんの姿勢に見習いたい! と思うほどでした。そんなHigucciniさんにとってのブログの存在とは・・・?
〔H〕 ポートフォリオみたいなものです。料理人だったり、ブロガーだったり、クリエイターだったり・・・これを見ればだいたい、好みや腕前などが分かるので。
〔イ〕 料理でご自身を表している感じですかね。今後、ブログでやってみたい夢はありますか?
〔H〕 写真集みたいな本は出してみたいと思いますね。1000枚くらいいろんな料理の写真があったら迫力ありますし。高解像度の写真もしっかり保存してあるので、いつかレシピ本じゃなくて写真集だったら出してみたいと思いますね。
ちょっぴりご登場頂いたHigucciniさんの奥様はいつかやる個展のために刺繍のブログをアップしていらっしゃる、まさに、アーティスト夫婦。デザイナーのご主人が奏でる週末料理は、奥様もどれも美味しいとおっしゃられていてHigucciniさんは、まさに理想の旦那様! 料理が上手な男性はやはり女性から見ても魅力的!と実感したインタビューなのでした・・・♪
次回は6月18日アップ予定。Higucciniさんの後編です。どうぞお楽しみに♪