
Update:2009.09.04 text:Rumiko Igaki photo:Yukirinrin
〔インタビュアー(以下イ)〕
こんにちは! はじめまして。本日はお時間を作って頂き、ありがとうございます。
さっそくですが、シカゴ在住とのことで海外からレシピブログを発信されているわけですが、そもそも
ブログを立ち上げられるきっかけは何だったのでしょうか?
〔勇気凛りんさん(以下ゆ)〕 はい。実は、2006年からCOOKPADさんにオリジナルのお菓子のレシピを掲載していたのが そもそもの始まりなんです。
〔イ〕 COOKPADさんにレシピをご投稿されていたというのは…?
〔ゆ〕
1年半前まで、シカゴに在住する日本人の方を対象にビーズ教室を開いていまして、
この教室では休憩時間に、私のオリジナルのお菓子を2品、生徒さんたちにお出ししていたんです。
これが嬉しいことに好評で、レシピが欲しいと言ってくださる方が増え、ワードで作成してプリントアウトしてお渡ししていたのですが、ある日、生徒さんのおひとりにクックパッドで公開してくれればこちらから見ますよ、と言われ、始めたのがきっかけなんです。
始めてみたら楽しくて、お菓子だけではなく簡単な料理レシピも出すようになりました。
〔イ〕 そこで評判の大葉にんにく醤油もご投稿されたんですね。
〔ゆ〕 はい。 大葉をにんにく醤油に漬けた簡単なレシピで、私は家庭で日常的に使っていたものです。元々友人がおにぎりに 秘伝の味噌で作ってくれて、美味しかったので私は簡単に作れるように味噌から醤油へとレシピを考えて投稿したんです。 にんにく醤油を炒め物の調味料にしたり、大葉をつくねに巻いたりと、この大葉にんにく醤油でいろんなお料理が 出来るんですよ。
〔イ〕 きっと、誰でも簡単に、それひとつあればいろんな料理にアレンジして使えるってところがヒットした理由なんでしょうね。 私も作ってみます!
〔ゆ〕
2006年の4月にCOOKPADにこのレシピを投稿したのですが、
多くの方から、「この醤油を使ってレシピを考えたのですが、自分のレシピとしてアップしてもいいか? 」と、お問い合わせをいただくようになりました。
そんなことから、投稿して3ヶ月くらいたった夏にはCOOKPAD内で「大葉にんにく醤油」を使ったコンテストを開いていただいたり、TBSの「はなまるマーケット」で紹介していただいたり、ローソンさんで商品化販売をされたりと、ひとつのレシピがきっかけでいろんなことが広がっていきました。
〔イ〕 料理ブログは開設されてまだ約1年で、本もご出版されたりとご活躍されてますね! ブログのはじめましてに 「私自身の拠点として、こちらに少しずつレシピをまとめます」と書かれてありますが、やはり、“勇気凛りんさんご自身 の手でレシピを発信する”という思いがあったのでしょうか?
〔ゆ〕 レシピをアップするだけではなく、その頃には料理の撮影もだいぶ慣れてきていたので、画像の大きさやレイアウトなども考えながらレシピを書きたいと思いました。 また、何年住むかわからないシカゴの風景や、その中で感じたことも書けたらと思ったのです。
〔イ〕 ブログを開設してみて、実際はどうですか?
〔ゆ〕 シカゴの日常やペットについてもコメントを頂いたりするのが嬉しいですね。
〔イ〕 ご自身の手で作るブログは料理だけではなく、その方のパーソナリティーも自ずと垣間見れたり それが読者の方に届いてお互いが楽しかったり、とブログはまたブログならではの楽しいところ がありますよね。
〔ゆ〕 はい。ブログに掲載するためにいろんな写真を撮るようになって、それまではシカゴで15年間 後ろを振り向かずに走ってきた感があったのですが、それを今度は日本の私のブログを見て下さる方へご紹介 していくのはまた、今までとは違った思いがありますし、娘にもこんな風に生活していたっていう 記録にもなるような気がいたしますね。
〔イ〕 勇気凛りんさんの大葉にんにくしょうゆは今もCOOKPADでレシピを使った方のアレンジレシピなどが たくさん紹介されてますし、それぞれの機能の良さを生かして活用してレシピや食、ご自身の生活を豊かに されているような感じがしますね。 ちょっと話を変えて…シカゴ-アメリカ人の方にも料理ブログは流行っているのでしょうか?
〔ゆ〕 ブログのブームは日本独特なもののように思いますね(笑)。 私のまわりでも料理ブログを開設したり、チェックしているのは日本人の方ですし、 アメリカ人の方はブログをもっと違う使い方で活用しているような気がします。
〔イ〕 なるほど…! ブログ人口は世界中で1番日本人が多いと、先日もフードジャーナリスト会議で 報告されてましたし…ではシカゴの生活で日本と違うところはどんなところでしょう?
〔ゆ〕 まわりに気を使わなくていい! これが1番違うところでしょうか(笑)。隣近所でもプライベートはしっかり分かれていて、 子どももある意味、ひとりの人格を持った大人として接する部分が多いような気がします。
〔イ〕
アメリカに留学された方に印象的なことをお聞きすると、自立せざるをえなかったという話を聞きます。言葉が違うのは
もちろんですが、アメリカのそのような文化背景も、もしかしたら自立するという部分では大きいのかもしれないですね。
では、ブログに話を戻して…レシピ本のご出版のきっかけは…?
〔ゆ〕 出版社の方が私のブログに、鍵付きコメントで出版のお誘いをくださったのがきっかけです。 そのコメントの文面も、その方に出版して頂こうと思ったひとつのきっかけでもありました。 実は、ほかの出版社さんからもオファーをいただいていたのですが、何通かメールでお話しているうちに、毎日コミュニケーションズの編集者Yさんに託そうと決めました。
〔イ〕 顔が見えないメールでも、その方のお人柄や出版に対する思いって通じるものがありますよね。 勇気凛りんさんがブログを開設してわずか1年弱でご出版に至った経緯は、誰もが作りやすい人気の レシピがあり、それが勇気凛りんさんを物語る上でもキャラクターとして確立された気が致しますね。 もちろん、本のご出版だけがブログの開設の目的ではないですが、大葉にんにく醤油やブログの開設 が色んな方との出会いやきっかけが広がっていったのですね。
エレガントでお美しい勇気凛りんさん。“勇気凛々”という言葉が好きとおっしゃる通り、お話を
して下さる姿勢やブログへの思いを語る時の表情に凛とした姿が映し出されていました。
後編は、シカゴのビックリな食文化やプライベートや今後の夢まで…
勇気凛りんさんのインタビューをじっくりお届けします♪
次回後編は9月18日(金)アップ予定です。
どうぞお楽しみに!