2010.07.16up text rumiko igaki photo panipopo

〔インタビュアー（以下イ）〕 
panipopoさんはアメリカに留学なされて、その後フランスへ・・・と、海外生活が長いですよね。中学校を卒業して、アメリカに留学しようと思われたところから行動的な印象がありますが、どんなお子さんでいらっしゃいましたか？

〔panipopoさん（以下p）〕 
アメリカへ留学したのは、親が厳しかったのでその反抗心から。一緒に居るよりは、親元を離れて生活してみたい！　って思ったのが大きかったんですよ。
幼少の頃はとにかく活発で、お転婆な子どもで。生傷が絶えない女の子でした（笑）。
中学に入った時から、とにかくアメリカに留学したくて、親に言っても、もちろん相手にされず。なので、自分でいろんなことを調べて（本や大使館や、アメリカの親戚や友達に聞いて）、実際に書類も取り寄せて、アメリカ人の友達に助けてもらいながら、自分で留学手続きを取ってしまったので、親もそれだけしたのならと、留学させてもらいました。

〔イ〕  凄い！　親に反対されたら、普通はじゃあ、あきらめようかなと思うところかもしれないです。

〔p〕  その時、私も根気強く説得し、手続きを取って希望が叶ったので、いったん、熱意を持ったことはきちんと入念に下調べして有言実行することが大切だと、学びました。とにかく言いだしたら、断固やり遂げる意思と、自立心の強さは小さいときから持ち合わせていたみたいです。もしかしたら今よりも、１０代の頃の方が独立心が強かったかも（笑）。でもね、そこからちょっと一転したんですよ。

〔イ〕  アメリカへ渡って？

〔p〕  はい。アメリカで生活した最初は言葉の壁があり、コミュニケーションが取り辛く、多分おとなしかったと思います（笑）でも、だんだん言葉が通じるようになって・・・それからは楽しかったです。
高校の学校行事でサマーキャンプで、女の子がいたずらでみんなが集まるキャンプ場の木と木にロープを巻いて、女の子みんなの下着を旗のようにヒラヒラとくくり付けたり。男女共学の学校で男子も一緒のキャンプだったから、通りがかりの男の子に、そのヒラヒラが目に入ったり（笑）。日本ではちょっと無いですよね。先生にも怒られるでしょうね。

〔イ〕  アメリカの映画みたいですね。アメリカンジョークたっぷりの愉快なハイスクール。まさにギリギリないたずら！　私の下着がヒラヒラしていたら嫌ですけど（笑）。

〔p〕  もうひとつ、そんないたずらでアメリカらしいのが、バスケットボールの試合で優勝した選手の家の人たちが外出している時に、みんなで忍び込み・・・トイレットペーパーを家中、グルグルに巻き付けるんです。もちろん、「おめでとう！　良かったね！　」って半分冗談でやってるんだけど・・・。やられた方は留守中、トイレットペーパーが家中にグルグルされてて、頭にもくるわけです。アメリカらしいのがみんな慣れっこ？　というか本気では怒らず、最後はグルグル巻いた方も一緒に後かたづけします。私もかたづけ、しましたよ（笑）。
他にも、ボランティアとかで、施設の子供と接したり、日本人観光客のためのツアーガイドをアルバイトでしたりしてました。アメリカでは高校生のときはのんびりですが、大学に入るとそれこそ死ぬほど勉強しないと落第してしまいます。あんなに勉強したことがなかったかも、っていうほど、勉強しました。

〔イ〕  遊びに勉強にと、学生時代は充実していらしたんですね。 お菓子や食への興味は小さい頃からあったんでしょうか？

〔p〕  食いしん坊だったので、小さい時から自分でサンドウィッチとか作っていたみたいです。グルメの父のおかげで、美味しいものを食べに連れて行ってもらっていたので、小さい時から舌は肥えていたみたいですが・・・お料理よりはデザートに目がなくてそちらばかりに神経が集中していました（笑）。

〔イ〕  今の片鱗が垣間みれますね！　
ちょっと話が変わりますが、panipopoさんのブログに良く登場するフランス人シェフの旦那様−paniヴァンさんのお話もお聞きしたいです。14年間、ミシェランの星付きレストランで働いていたというご経歴から、職人気質な凄腕。だけど、panipopoさんもpaniヴァンさんもお互いを思い、生活している様子がブログから伝わってきます。

〔p〕  実は、主人の方が日本へ帰ろうと言ってきて・・・私の方がそうするべきか迷いがあったんです。
ひと言で言うと、主人は粘り強い人ですね。それから、「君はフランス人じゃないね」と、韓国の友人に言われていたことも。韓国でも日本でもアジアは、礼を重んじる文化がありますよね。主人はそれを自然と表現出来る人で、上司にも部下にも大切にされていました。どこでも馴染める人で、日本に帰国してからもすぐ、言葉が通じなくても、嬉々としてセブンイレブンにひとりで行ったり（笑）。外国で長く生活をしているので柔軟な性格のようです。
それに、例えば私の専門のお菓子はスタンドプレーですが、料理はオーケストラ。チームワークなんです。冷たいお料理、熱いお料理もお魚、お肉と分かれてくる。その順番の間が崩れると輪が崩れます。そういう意味では、性格的には協調性が良く、私より彼の方が日本でも馴染みがいいのかもしれない、と思うことも（笑）。
私は日本人ですが10代半ばからアメリカ、フランスなどを巡り、日本で生活するのは久しぶりなので、戸惑うこともあるのですが、主人は気が付いたら日本人の友人が出来ていましたし！（笑）

〔イ〕  ユニークで温かい私の印象通りの方のようですね。 もうひとつ、不思議でロマンチックなのがpanipopoさんのブログで書いてらした夢の話。 「夫と会う何年も前から、よく同じ夢を見た。夢の中で、私は 中世風の四角い館の中に住んでいて、長いドレスを着ていた。中庭を歩いていると、いつも梯子に上って私に塀越しに会いに来る黒髪の青い目の男性がいた。彼 が「必ず迎えに行くから、待っていてくれ」って言って終わりになる。 paniヴァンと出会い、夢を見なくなった・・・」というところです。panipopoさんを迎えに来てくれた夢の彼はまさにpaniヴァンさんなような気がしますよね。

「いつも周りの人々に助けられているので、人を大切にすること、感謝の気持ちを忘れないこと、人との和が大切」と語るpanipopoさん。前編のお菓子の道具を置き土産に頂いたこと、幼少の頃読んでいた本を再び手にしたこと。それは、panipopoさんが大切にしている人の和から導かれた出来事。
そんなpanipopoさん、今は日本でお店を持つ準備に奮闘されているそうで・・・。

〔p〕  将来、お店を日本で開こうと考えていたのですが・・・それが今だと思い、春に帰国しました。
時間をたっぷりかけて準備をして、お店の場所によってランチをするのかしないのか決めようと思いますが、お菓子の他にも自家製酵母のパンやちょっとしたフレンチも出せたら・・・と思います。パンと料理は主人担当。でも、規模的に小さいならお菓子の方が簡単に出来るのでそこは物件次第で・・・。今、メニューにはこれを並べようとか、ラインアップも検討中です。”フランス的な、小じゃれたお店にしよう！”、”ディスプレーにはマカロンタワーを作って見せるのもいいかも♪”なんて想像を膨らませています。
日本に帰ってきてから、ブログ友達が製菓材料だったら展示会があるからチェックした方がいいよと、チケットを送って下さったり、本当に助けられています。 ブログを読んで下さる方も楽しみにして下さっているので、そんな皆さまへお店でおもてなしを出来たら・・・と思っています。

〔イ〕  お店のオープン、本当に楽しみです！　では、最後に 今後の夢をお聞かせください。

〔p〕  お店を持って、写真集やエッセイをお菓子レシピと一緒に本として出版すること。フランスへお菓子ツアーを計画して、お菓子をめぐる旅行をコーディネートすること。将来はフランスに住んで、お菓子のレッスンやステキな田舎暮らしの空間をシェアする事業を起こすこと。 美しい国々を旅行して、たくさん写真を撮りながら、いろんな国の人たちと交流すること。写真展を開くこと・・・多過ぎ？　欲張りなんです、私（笑）。　

〔イ〕  まずはお店の夢を叶えて・・・また夢をひとつひとつ叶えていくpanipopoさんを楽しみにしています！　ありがとうございました。

今回、お電話でお話をさせて頂いたpanipopoさん。ユーモア溢れるお人柄とたくさんのブログ友達の優しさ溢れるエピソードからお会いするまでもなく、ブログと同じpanipopoさんのスイーツのような甘く、ふんわりとした雰囲気が伝わってきました。旦那様と二人三脚のお店、オープンが楽しみです♪

次回インタビューは8月6日アップ予定。「おだんごカフェ＠体に優しいナチュラルレシピ」のみるまゆさんの登場です。どうぞお楽しみに！