2014年11月をもって連載を終了させて頂きました。
たくさんの方にご愛読いただきましてありがとうございました。

古代豚・肩ロースのロースト 新玉ねぎと枝付きケッパーのトマトソース

  
尾花沢牛・モモ肉のロースト」でローストの仕方を書きましたが、今回は復習がてら豚肉をローストしました。
この季節よく出回っている新玉ねぎをたっぷり使ったさっぱりと頂ける、簡単に作れるソースとの組み合わせ。

今回使う豚肉はかつての職場の同僚一家が生産する「古代豚」の肩ロースです。

【古代豚とは?】 HPより
昭和30年代まで、日本で飼われていた豚のほとんどは「中ヨークシャー種」という品種でした。日本の気候風土に合った豚で、肉のきめが細かく、臭みがなく、脂肪は白く、旨味の成分や栄養価も高いと言われ、脂身の美味しさは絶品です!しかし、中ヨークシャー種には、成長があまりにも遅い(9〜10ヶ月)という欠点がありました。そのため経営が成り立たず、いまでは日本とイギリスにほんのわずかしか残っていない、天然記念物級の貴重な豚です。私が生産している豚は、絶滅寸前となったこの貴重な豚を基礎豚にしています。

ハム・ソーセージ類も全て手作り。
これが本当に美味しい!
シャルキトリー類はヨーロッパに一日の長がありますが、全くひけを取りません。
自分達で豚肉を生産しているからこそ、肉の個性や味の引き出し方が判るんでしょうね。
古代豚白石農場HPで通販もしているので是非!

古代豚・肩ロースのロースト 新玉ねぎと枝付きケッパーのトマトソース
豚肩ロースト トマトソース.jpg
【材料】 2人前

古代豚・肩ロースのロースト
・ 豚肩ロース ・・・ 200g
・ 塩・コショウ ・・・ 適量
・ ロースト用オリーブオイル ・・・ 少々

新玉ねぎ・枝付きケッパーのトマトソース
・ にんにくの薄切り ・・・ 1/2個
・ 新玉ねぎの薄切り ・・・ 1/2個
・ 缶詰のカットトマト ・・・ 大さじ2
※ 生のトマトやプチトマトでもOK。缶詰のホールトマトもOKですが若干こもった味に仕上がるのでフレッシュ感のある仕上がりには向きません。
・ 白ワイン ・・・ 大さじ2
・ 固形ブイヨン ・・・ 1/2個
・ 水 ・・・ 50㏄
・ 枝付きケッパー ・・・ 6個
※ 普通のケッパーでもOK。その時は入れるケッパーを多目にして下さい。

【作り方】

古代豚・肩ロースのロースト
豚ロースト-1.jpg
1)豚肉を常温に戻し、塩・コショウし、20〜30分おく。
2)フライパンにオリーブオイルを敷き、豚肉の両面を色良く焼く。













豚ロースト-6.jpg
3)2)の豚肉をアルミホイルに包み、150℃に余熱したオーブンで火を通す。
※ 今回は5分経ったところでオーブンから取り出し、肉を返してさらに5分。トータルで約10分オーブンに入りました。
※ 肉汁は捨てないで下さい!ソースに加えます!

<ポイント>
・ 肉の火の通り加減は、オーブンから取り出した時に指で軽く押してみて確認して下さい。肉が軽く張ったような感覚が出てくると芯まで火が通り始めたサインです。
・ 鉄の串や包丁などの金属を肉の一番厚い部分に刺し、3秒位してから唇の下辺りに触れさせて暖かくなっていればOKです。
豚ロースト-7.jpg
4)3)の豚肉を途中肉を返しながら約10分休ませる。
5)肉を4〜5㎜の厚さに切る。







新玉ねぎ・枝付きケッパーのトマトソース
豚ロースト-2.jpg
1)豚肉をローストして残ったフライパンの油ににんにくの薄切りを入れて香りを出す。
2)新玉ねぎの薄切りを加えて、しんなりするまで弱火で汗をかかせる様に火を通す。




豚ロースト-3.jpg
3)カットトマトを加え、水分が殆ど無くなるまで煮詰める。
※ 写真は煮詰まった状態。

豚ロースト-4.jpg






4)白ワインを加え、水分が殆ど無くなるまで煮詰める。
※ 写真は煮詰まった状態。





豚ロースト-5.jpg


5)水・固形ブイヨン・肉汁を加え、固形ブイヨンを溶かす。
必要であれば塩・コショウをして味を整える。
6)枝付きケッパーを加え、一煮立ちさせる。
※ 煮詰まり過ぎた時は水を加えて調整して下さい。


お皿に豚肉・ソース・飾りのイタリアンパセリを盛り付けて...

完成!

◆ポイント◆
1)ソースに加えるカットトマト・白ワインは「水分が殆ど無くなるまで」しっかり煮詰めて下さい。
酸は煮詰めると甘味に変化していきます。
逆に煮詰まっていないと、余分な酸味が残ってしまいます。
2)ソースは肉汁に野菜・白ワインを加えて味に変化・風味を付け、ブイヨンで水分量を増やすイメージ。核にあるのは豚の肉汁です。

今回は前回より進んで「主素材+ソース」という組み合わせにしました。
とても簡単に出来るソースなので是非お試しを!

それではまた次回!




小宮太郎

千葉県木更津市の予約制フランス料理店『Cuisine & Wine TARO KOMIYA』料理長。併設の『芳信庵 陶芸ギャラリー・ワインショップ』オーナー。出張料理人・レシピプランナー。2013年、千葉県木更津市で自らのレストランをオープン。レシピプランナーとして、某大手食品会社のレシピ開発を担当。出張料理人として、有名画廊、老舗料亭でのイベント、多くの家庭で料理を出している。数年毎にカリフォルニアのワイナリー訪問をし、訪れたワイナリーは100以上。陶器製作も行っている。料理ブログ『ヌーベル・オヤジ・キュイジーヌ』も要チェック!

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