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レシビブログインタビュー:recipe & life「おいしい暮らし」前・後編  毎月二回更新
第40回目 おひとりさまの食卓 まさきちさん 前編
おひとりさまの食卓 まさきちさん  へ

2011.05.20up text:rumiko igaki  photo:masakichi



〔インタビュアー(以下イ)〕  後編も引き続き、よろしくお願いします。 まさきちさんのブログは、毎日のお弁当と短い日々の文章で構成されているのでプライベートが謎のベールに包まれておりますが…普段は、どんな風にお過ごしですか?


〔まさきちさん(以下ま)〕  会社のある日は朝5時に起きます。目覚まし時計ではなく、炊飯器の、ごはんが炊けた「ピーピー」という音で起きています。炊けたご飯を弁当箱に詰めて、その後は怒涛のおかず作りとブログ更新ですねー。朝ご飯を済ませて、6時半からシャワーを浴びて化粧という左官仕事をし、8時前には家を出ます。


〔イ〕  お弁当の中身は毎朝起きてから決める感じですか?


〔ま〕  前の日に紙に書きとめておくようにしています。以前は、紙に書かずに記憶していたのですが、寝起きの状態で弁当に取り掛かるとあれだけ考えてパーフェクト! と思っていたおかずの内容を「から揚げ」しか覚えてなかったりしたもので…。


〔イ〕  分かります(笑)。結構、前の日の夜寝る前に思いついた事も朝起きたらキレイに「何だっけ?」って忘れていますから…。


〔ま〕  ですよねー。今は、例えばメインが「から揚げ」だったら、冷蔵庫の中身と相談しながら、ピーマンがあるからさっと塩こしょうで炒めて、キャベツはコールスローにして、って感じで、思いつくままを紙に書いていきます。夜ごはんを食べながら書くこともあります。消化に良くないので真似しない方がいいと思います(笑)。
会社までは徒歩で出勤し、8時半が始業。残業がなければ、17時半終業。買い物は会社帰りに済ませます。週に1〜2回程度、ほとんど自宅近くのスーパーです。買い物に関しては全然マメじゃないです。いつも同じものばかり買ってしまいます。
帰宅後は晩御飯を食べて、締め切りがあれば原稿など書いたり、出版社と打ち合わせの電話をしたり、メールのチェックをしたり、コメントの返事を書いたりと、1時間くらいはPCの前にいます。あとは、お風呂に入り、遅くても10時までには布団に入ります。


〔イ〕  夜ごはんは、どのようなメニューを食べていますか?


〔ま〕  お昼と朝がメインなので、夜はあるものをちょこちょこっと。ご飯を炊いてお味噌汁を作って簡単な炒め物と常備菜、漬物、そんな感じ。夜ごはんはお坊さんのようなメニューです。


〔イ〕  なるほど…ボリューム弁当が1日のメイン的な存在なんですね。 以前、まさきちさんが東京にいらした時のブログでホテルでの朝食がボリューミーだったワケが分かりました!(笑)。 お休みの日はどのように過ごされていますか?


〔ま〕  出不精なのでひたすら家にいますね。例えば映画に誘われても「いいじゃんDVDで」と。どこかに行くくらいならソッチから来い、と(笑)。“ルールは自分”の家の中が好きです。


〔イ〕  確かに、年を追うごとに家の中でヌクヌク過ごすのが楽しくなりつつあるのはなぜでしょうね。 では、ブログ以外で趣味や興味のあることはございますか?


〔ま〕  読書です。多いときで月に10冊くらいは読みます。


〔イ〕  特に好きな本は?


〔ま〕  基本、ミステリーですね。 好きな作家の新作や、続けて読んでいるシリーズものの新刊、書評やネット書店のレビューを参考にしたりもします。レビューの評価で「5」が付いていたら深く考えずポチッと購入してしまいます。本の購入に関しては非常にアグレッシブですね。 恋愛小説はほとんど読まないです。 恋愛は読むものではなく、するものですから。


〔イ〕  おっ! 格好いいですね〜♪


〔ま〕  ないない、と思ってしまうんです。リアリストなので(笑)。 恋愛は相手が居れば経験できることですからね。どうしても我が身と引き比べて今ひとつ物語に入り込めない自分がいるので面白くないんです。その点、人を殺めたり、盗んだり、騙したり、逃げたりってのはなかなか経験できないし、実生活ではしたくない(笑)。そういう未体験ゾーンを脳内で疑似体験できるところが面白いですね、ミステリーは。


〔イ〕  なるほど〜。深い。確かにそうですね…。恋愛小説を読んで「ないない〜」、というところがまさきちさんのさっぱりとした姐さん的な性格を表していますね。


〔ま〕  あ、エッセイも好きです。人の腹の中を知るのが好き(笑)。実は一番ミステリアスなのはエッセイではないかと思いますよ。人間は怖いけど楽しい。


〔イ〕  “怖いけど、楽しい”大人だからこそ言える、とても魅力的な表現ですね。お弁当の本やレシピ本は?



〔ま〕  料理やお弁当のはあまり見ないです。見るとつい真似してしまいそうになるので、例えば見る場合でも、レシピ部分は努めてガン見はしません。チラッとサラッと眺める程度。写真集的に視覚で楽しむくらいです。

普段の生活の中でいつも本に触れていたいですね。読む本が常時5冊くらいないと不安になります。読む本がない時は、それこそスポーツ新聞でもフリーペーパーでもチラシでもメニューでも手当たり次第活字を拾い読みしています。活字中毒ですね。そうそう。メニューと言えば、ファミレスのメニューは食材の盛り付けや組み合わせが弁当やレシピの参考になります。
『ハンバーグをキムチと鍋で煮ちゃうとは!』とか、『ほ〜、そこで、きのこ来るかね』、とかね。それから、「宅配の夕食セット」の折込チラシ!! あれはすごい勉強になります!
(ここからまさきちさんのテンション↑上がってまいります♪)

あとはスーパーで「麻婆豆腐の素」が何で出来ているかとか、回鍋肉や海老チリ、焼肉のタレやパスタソースなど、裏を見れば書いてあるからそれをじっと見ています。10分くらいずっと。たぶんすごい怪しいです。おまけに買いませんし(笑)。そうやってガン見してから、家に帰り、キッチンラボで再現してみます。よくわからない調味料や家にないものは、他の物で代用して作ります。ほとんど勘です。


〔イ〕  そのノリ、分かりますねえ…! リアルでマニアな感じがたまらなくいいと思います。宅配セットのメニューって、妙に美味しそうに見えますよね…。すみません、続きをどうぞ(笑)。


〔ま〕  はい(笑)。デパ地下のお惣菜コーナーも好きで、先日はたけのこのてんぷらを見かけて「たけのこのてんぷらかー!」と、自分の引き出しには無い発見があったり。ま、ちっさい引出しなんで、入っているものもたかが知れてるんですけど(笑)。
他には、調剤薬局の高血圧の方のための食事の小冊子とか、コープのカタログの端っこに載ってるちょっとしたひと口メモなどを読むのもスキです。


〔イ〕  薬局の高血圧メニューとはまた、すごいところに着目していますねぇ…!


〔ま〕  ツライ食事制限をどうやって楽しく美味しく続けていくか、の工夫がこらされてて、目からウロコですよ。盛り付けもステキです。食材も実にバラエティ。しかもただでもらって帰れるんですよ。イイコトだらけで申し訳ないくらいです。


〔イ〕  確かに。そうですねぇ。じっくり見たことは無いですが…。前編では、弁当は必要に迫られて作りはじめたとおっしゃっていましたが、若い頃は食に興味はございましたか?


〔ま〕  食べる専門(笑)。20代の頃、カレー専門店「CoCo壱番館」の1kgカレーを20分で完食し、しばらく店に写真が飾ってありました。


〔イ〕  えっ! それは凄いですね(笑)。


〔ま〕  はい。大食いです。「TVチャンピオンに出ろ」と友人に言われたくらい。今はさすがに胃袋も年を取っていますけど、学生時代は1回で米二合はフツーに食べていましたよ。最初のデートはイタリアンのコースで、2度目からファミレス、3度目以降はずっと食べ放題でした(笑)。食べ放題で野放しにされるのがデートの醍醐味でしたね(笑)。


〔イ〕  そうだったんですね。とても上品な物腰のまさきちさんのブログからは想像できなかったですね。あ、でも確かに弁当はガッツリでしたね…(笑)。 では、生活の中で大切にしていることは?


〔ま〕  何もしないひとりの時間です。 それから、睡眠でしょうか。 睡眠を取らないと、すぐに顔に出るので…毎日7時間は寝るようにしています。 睡眠が足りないと、“ワタシ寝てません”と書いてあるような顔になります。もうね、コンシーラくらいじゃ全然ダメです。


〔イ〕  はい、「クマ顔」ってやつですね(笑)。逆に睡眠時間が全然なくても平気な方とかいますよね。私もクマ顔なタイプなので、分かります(笑)。


食べることが好きな事がお弁当の写真いっぱいに、伝わってくるまさきちさん。 ちなみに、安くて美味しいものが基本的には好きなそうですが、大好物は“豚足”。以前、お弁当に何とか入れたい! と思ったそうですが…「結局、あきらめました。どこまでいっても豚の足ですから…。どーんと弁当箱の中に大きくあれが入るものちょっと…(笑)。会社で食べてる自分の図もかなり…(笑)。」
そんなユニークでお茶目な姐さん、まさきちさんの今後の夢は…?


〔ま〕  文章が飯の種になればいいな、と。
料理は正直、そんなに自信があるわけではないんですよ。ただ、私の弁当は、レシピも簡単でめんどくさくないし、ハードルがとても低い。そういうところが皆さんにご支持いただいているのかな、と思います。続けていくうちに、弁当箱だけは少し値の張るものを使うようになったけど、中に入れるものはどこでも手に入る食材ばかりなので「私にも出来るかも」と思っていただけてるのかも。個人的には、きれいだなって思われるよりも、食べたいと思って頂ける方がいいので嬉しいです。
今後は、連載とかしてみたいです。弁当とエッセイがリンクしているような本も作ってみたい。 あと、弁当の開発にも携わってみたいです。弁当箱やグッズのブロデュースにも興味あります。イベントも楽しそう。強欲すぎますかね? 身の程知らずも大概にせぇや、と言われそうですね(笑)。


〔イ〕  この場でおっしゃって夢が叶った方もいらっしゃいますし、とてもユニークなまさきちさんの文章、私も、もっと読んでみたいと思います。お弁当も文章も、これからも楽しみにしています!


格言的な発言からビックリな大食い話まで、話題に尽きないまさきち姐さんは、弁当だけじゃない吸引力を持った魅力的なお方でした。次回インタビューは6月3日「魚屋三代目日記」、n-sakanayaさんの登場です。どうぞお楽しみに♪



まさきちさんのおススメレシピ「ぶろかか」
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