
Last up date 2009.03.06 text:Rumiko Igaki Photo:Shinjiro Terada
〔インタビュアー(以下イ)〕
フードコーディネーターを目指すようになったきっかけを教えてください。
〔真ちゃんさん(以下し)〕 高校卒業後、もともとは“プロのダンサー”になりたくて上京したので、当時はフードコーディネーターを目指していたわけではなかったんです。ただ、ダンスだけでは・・・という両親の勧めもあって、料理の専門学校にも通うことになり、週3回のダンスレッスン、週5回の料理学校、その他にアルバイトもしていて、学生時代の頃は凄く忙しかったですね。
専門学校を卒業して食品の通信販売を手がける『オージーフーズ』に就職するころには、ダンスが元で上京したのですが、だんだん料理が楽しくなってきて・・・・・・。実は専門学校の頃から、アルバイトをしていた会社でした。
〔イ〕 どんなアルバイトをなさっていたんですか?
〔し〕
深夜のTVショッピング放送枠で、僕は、商品を紹介するときのコーディネートを任せられ、たとえば、カニ缶を紹介する場合、そのまま食べる以外にカニ缶を使ったいろんなアレンジ料理を提案し、番組内で紹介してもらっていました。料理のプロが専属で居るわけじゃなくて、僕のような学生が自分なりに考えて仕事ができたからすごく楽しかったですね。
同社に就職してからは、アルバイトの頃から続けてきたTVや雑誌のフードスタイリング以外に商品の企画、営業と、幅広くさまざまな経験を積みました。なかでも、ラジオショッピングの枠で、じっさいに僕がプレゼンした商品が通り、テリー伊藤さんや森永卓郎さんに食べてもらうことがあったんですよ。食べた感想がじっさいにオンエアで流れたときはうれしかったです!
そんな風に会社員をしていた2005年の夏、ふとTVを観ていたら、ある番組でベッキーさんが海の家をプロデュースするという告知がやっていました。その中で、一般の人でも採用されれば、海の家のメニューをプロデュースが出来ることを知って、自分も思い切って応募してみようと思ったんです。僕はオムレツをきれいに作るのが特技なので、メニューにオムレツを使った“オムソバ”を出しました。それが採用されて、海の家でのメニュー開発に携わることが出来たんです。オムソバは人気商品でした。
印象的なのは、その夏の間、みんなに「オムレツ君」と呼ばれていたことですかね(笑)。TVを観て下さった知らない方からも声を掛けて頂いたり、凄く嬉しかったです。
そしてそのあと、僕は自分でも思いきった行動を起こしたんです!!
一昨年、ブロードバンド放送の『GyaO』がオーディションをやることを知りました。優勝者は、好きなように番組を企画できるというんですよ、「若い世代の料理番組をやりたい!」と思っていた僕は、思い切って会社を辞めてGyaOのオーディションに参加したんです。
結果は、ファイナリストには残りましたが、グランプリ獲得とはいきませんでした。でも、GyaOの番組にいろいろ出演させていただくことになり・・・・・・。プロの女性カメラマンが男性を撮影する『裸男(ラマン)』という番組もその中の1つだったんですけど、見ちゃいました(笑)?
プロのカメラマンに撮影されるというのは未体験でしたし、演技をしたのは初めてだったので毎回とても刺激的でした(笑)。そして何より、ラマン企画でGyaOと組んでいた週刊誌『女性自身』の編集の方との出会いを通して、僕の料理研究家への夢に、少し具体的に近づくことができたんです。
その一方で、ラマンが終了すると同時に、以前アルバイトをしたことがあったカフェのマスターから、「料理に自信があるならカフェの調理を僕に任せたい」と言っていただき、店長として働くことになりました。お店では、メニューの考案、調理をしていました。
〔イ〕
ブログを立ち上げたきっかけは何でしょうか?
〔し〕 さきほどお話しました、番組でお世話になった女性自身の方に「料理研究家になりたい」と相談したとき、「まずうちで料理ブログをやってみて、レシピをじっさいに考える力をつけたら」と勧められたのがきっかけです。
〔イ〕 ブログを始めてから何か変化はありましたか?
〔し〕 ブログを見てくださった方がカフェに食べに来てくれたり、ブログにコメントを寄せてくれたり、ファンレターを頂いたり・・・。一方的な発信ではなく反応が返ってくるのが嬉しいですよね。青森や沖縄など、遠方から来てくださった方もいたんですよ(笑)。昨年末、オーナーの事情でカフェを閉店することになったときは、たくさんの方から「お疲れさま」の声をいただき、料理ブログとカフェを並行してやってこれたのは本当によかったなぁと思いました。
〔イ〕 では、ブログを始めて大変なことは?
〔し〕 僕の料理はブログ用に作っているので、毎日更新しようと思っていた頃は大変でしたね。ただ、毎日更新しようと思うと義務になってきてしまうので、そうならないように今はバランスを考えて更新しています(笑)。
〔イ〕 お料理ブログをアップする上でこだわりってありますか?
〔し〕 今年に入ってからは「男料理は豪快に!」をテーマに、自分の中でこだわっています。僕のブログは、男が本当に食べたいと思っている料理を簡単に作れて美味しい! というところを心がけています。女性が作る料理は、見た目は綺麗だったりするのですが、男の目線からすると何かちょっと物足りないっていう場合もあるんですよね(笑)
〔イ〕 がーん!(笑)。 そうですよね。だんだん、お料理って自己満足になってきちゃう時もあるような気がして、知ってはいたものの、実際言われると目から鱗です!(笑)
〔し〕 たとえば、チキンの照り焼きにしても、ボリュームがあって簡単で、男性が喜ぶ、それ+α女性も好きなかぼちゃを加えて栄養のバランスや男性も女性も好むアレンジを加えています。
〔イ〕 そうですね、女性からすればチキンだけだと何だか野菜が足りないと思ってしまう。でも、男性にはチキンを多めにボリュームを出して女性にはかぼちゃ多めでヘルシーにって応用が効きますね。
〔し〕
はい、そんな風に、本当に男性が求めている料理を女性の方や同じ年代の方に向けて発信したいと思っています。
撮影方法も美味しそうに写真は寄り気味に撮影して、料理の艶や臨場感が出るように心がけています。カメラマンの友達から、「料理を撮影するのに楽だよ!」と勧めてもらったカメラを使うようになってからは、ピントを合わせるのがとても簡単になって、部屋が暗い時もキレイに撮影できるようになりました。以前使用していたカメラは自然光じゃないとキレイに撮影出来なかったんですよ。また食器は、料理が一番映える「白い器」で盛り付けしています。
〔イ〕
レシピを考えるにしても、料理を作るにしても寺田さんの主となる「男が食べたい!本当の簡単料理」という趣旨のこだわりが感じられますね。
ブログを拝見していると、「男子はモヤシ好き」とか「ホットケーキが好き」など新しい発見があって楽しいです。ホットケーキが主食となるアレンジレシピも簡単でボリュームがあるので試してみたいと思いますし・・・。
では、寺田さんの遍歴を辿ると、お料理ブログからまた新しい第二の人生がスタートしたような印象を受けますが、今後の夢をお聞かせください。
〔し〕 昨年はフードスタイリストの資格も取ったので、本格的にプロとして活動していきたいと思っています。そして、ブログの企画でもある、10代、20代の男性に向けた(もちろん女性も!)料理本を出したいですね。男はコレだ! みたいなものを。それから今後は自分が主催の料理教室をやってみたいですね。同じくらいの年代の方を対象にして、実際、いろんな方と会って一緒に料理を作ったり、デモンストレーションをやってみたり、お料理に興味がある方や悩みがある方に身近に感じて頂きながら交流できるものにどんどんチャレンジしていきたいと思っています。
イケメン男子料理ブロガーの“真ちゃん”の笑顔に編集部一同癒されながらのインタビュー。
今までの経験から考え抜いたレシピを“男子が好きな
簡単料理をブログから発信したい”、“いろんな方に届けたい!”という熱い思いや夢が
伝わってきました。次回後編はそんな真ちゃんの意外な? 趣味やプライベートのお話を
お伝えいたしますー!
次回は3月20日アップ予定です。
どうぞお楽しみに!