update 2008.05.23 text : Rumiko Igaki recipe&photo : SHIORI
「就職試験に落ちまくってなかったら、この仕事の楽しさを知らずにいたと思う!」
〔インタビュアー(以下イ)〕 はじめまして! ブログや書籍のお写真もかわいいですが、実物もとってもカワイイですねー。
まずは、自己紹介からお願いします。これだったら私でしょー!っていうSHIORIさんらしいフードコーディネートって何でしょう?
〔SHIORIさん(以下シ)〕 スタイリングは、シンプルにちょっとガーリーに。
でも、見た目じゃなくて美味しさ重視。かわいいのに味がイマイチじゃもったいない!
見た目で満足しちゃうのは嫌なんですよ。両方、ね。
〔シ〕 どうしても料理本を出したくて。
〔イ〕 それは、どんないきさつから?
〔シ〕 同年代の子の参考になる料理本を形として残したかったんですよね。
無いじゃないですか…若い子が書いた若い子向けの料理本。
料理本と言えばほとんど、主婦の方に向けた目線だったから、私くらいの子は、何を参考にすればいいんだろうって…。
そんなギャップみたいなのを感じていて、アシスタントをしながら22歳で料理本を出すって決めていました。
でもね、好きな"食のこと"を仕事にしようって思ったのは就職活動で面接に落ちたのがきっかけなんです。今思えば、その仕事が本当にやりたいことでもないし、思いが中途半端っていうのも伝わっていたんだろうなって…
ほんと、就職の面接にボロボロと落ちて。
びっくりするくらい。 その時に、「あー、無理してどこかに入っても続かないだろうな」って。
興味があった食のジャンルで調べてみると、雑誌や書籍のお料理のお仕事を中心とする"フードコーディネータ"っていう仕事があることを知って、これだ! って。
本当に、やりたいことをやろうって思って。
だから、就職活動した時にそのまま、いいところに決まってたら今はないっていう!(笑)
〔シ〕 ほんと、落ちて良かったって。
もうなんか、こういうことがしたいというビジョンがね、見つかると早いんですよね。
このとき、フードコーディネーターになろうと思ったのと同時に、「若くして出たい!」とコンセプトが決まって、そこからは一直線でしたね。
同じ世代の人に共感してもらえるような、元気を与えられるような存在になろうって。
〔イ〕 そして、フードコーディネーターのスクールに通いはじめたわけですね。
〔シ〕 どのスクールに行こうかなっ…って時に実習中心だったのがいいなぁって思って。
先生も第一線で活躍されている方で。
スクールは、料理についてより、カメラの撮り方やメニュー開発のポイントなどを教わりました。 スクール時代はお料理コンテストに応募したら立て続けに入賞して、ヘルシオ2台貰った時もありました。 習ったことを忠実にポイントを守って…とやっていったら、出すコンテストほとんどで賞を頂いて。
スクールで学んだことがホントに役に立ったんだーって思うと更に楽しくなってきて…
スクールはいろんなところがあるから、自分に合った実習中心の学校をおすすめしますね。
卒業する時に、タイミングよく先生からお声をかけていただいて。アシスタントを1年8ヶ月していました。
ちなみにアシスタントはピラミッドになってて、入った当初はそうじ、洗濯、片付け、洗い物の毎日でした。
そんな生活が半年くらい続きました。
だから撮影の仕事を手伝だわせてもらえるようになった時はめちゃめちゃうれしかったです。
そして生意気にも、当時から若くして世に出たいです!って常に先生にも言っていました。
先生も、やれるなら頑張ってみなさいって、おおらかな気持ちで見ていただいて。
独立する時も先生に、おかぴーって呼ばれてたんですけど、「おかぴーいいのよ、羽ばたきなさい」って。
「あなたの夢だったんだから、時間がないんだからいいのよ」って…。
アシスタントと平行しながら独立準備をする日々
〔シ〕 でも、この業界は甘くないなって思ってて…これ、アシスタント時代の最初のお仕事です。
(と、SHIORIさんが担当したページを見ながら…)
普段、アシスタント業をこなしつつ、作品と企画書を送って、送ってって。
1年くらいしてポツリと返事が来たのが、これ。Cawaiiのもてるギャル弁! です。 これは、私じゃなきゃできないって(笑)。
見た目が斬新、かわいい、2ステップくらいで簡単!そして、美味しい!
はじめてにしてはハードルが高かったんですよー。
〔イ〕 楽しい! ほんとに、簡単だし、見た目が派手っ…!!(笑)
〔シ〕 そして今度は、電話で編集部にアポを取ったり。
当時はアシスタントをしながらだったので、奇跡にお仕事がもらえてもアシスタント業がとかぶっていたら泣く泣くお断りしたこともありました。
でも、だからと言ってそのとき、早まってアシスタントを辞めたりしなくて本当によかったと思っています。
雑誌の売り込みに直接出版社へ行ったら、そこは週に1度、対面営業の日があって、モデルさんやイラストレーターさんやいろんな方が並んで待ってらして。 編集部の方が「はい、モデルクラブこっちー!」って。 みなさんに順番にお声を掛けていくのですが、フードコーディネーターは私ひとりで。 「フードコーディネーターはどこへ…?!」 みたいな。営業してる時もファッション誌では浮いてましたねー(笑)。
〔イ〕 お料理雑誌には売り込みに行かなかったの?
〔シ〕 やっぱり、背伸びしてもダメだなって思ったんで同年代のファッション誌からスタートして。
その頃は自分からは、とてもとても年齢層が上の雑誌は…と思ってたし、それに、ひとりでも多くの同年代の女の子に目に留めて欲しかったので、まずはファッション誌だ! と決めていました。
そして、ファッション誌での実績が出来たら、今度は書籍として「彼ごはん」の企画を持ち歩くようになり…。
想像以上に厳しい道のりだったけど、井野さん(宝島社さんのSHIORIさんのレシピ本担当編集者さん・8月にレシピブログから発売するスウィーツ本も担当します)のところに持っていった時に、これは絶対うちから出してあげるって…
〔イ〕 ちょっと感動ですね〜。今までの色々な活動がついに実を結ぶわけですね!
〔シ〕 で、いろいろアドバイスを頂いて…
〔イ〕 井野さんは、敏腕プロデューサーですからね。
〔シ〕 そうなんですよ。ブログで人気が出てきたら、じゃあ、本出しましょう! って。
温かいみなさんのコメントから元気を貰っています!
〔イ〕 ブログを始めてよかったことは?
〔シ〕 お料理って、女性にとっては共通の趣味だったりするじゃないですか。
そういうのを通してコミュニケーションできたりするのが嬉しいですね。
そして、改めて世の中にはいろんな考えがあるんだなぁって思いました。
自分はそんなことを意図して書いたつもりはなくても、、
ブログではちょっと違うニュアンスで伝わってしまったり。
素直な気持ちを書いてるんですけど、いろんな考えの人が居るってわかったから、思っていることが上手く伝わるように言葉には気をつけていますね。
思いがうまく伝わらなかったり、悲しいコメントを読んだりして辞めたくなったことも正直何度かありました。
でも 温かい応援コメントのほうが圧倒的に多いので今はもうそんなことは考えなくなりました。
〔イ〕 たしかに、ブログ上では、言葉の微妙なニュアンスが伝わりにくい面がありますよね。 ほかのブロガーさんからもそういうお話を聞きます。
このインタビューで、みなさんとお会いしてみて、ブログから有名になって本も出版されてと活躍なさっている方もいらっしゃいますが、そうだからと言って逆にそうじゃなくてもブログ上で誤解を受けるような横柄な態度の方は誰ひとり、居ないですよ。
ブログで中傷とか誹謗はありがちと言ったらそれまでですが、レシピブログとして発信していることは、お料理を通してみなさんと素敵な発見や喜びをシェアしていこうっていう気持ちです。
レシピブログを通して、みなさんにささやかでもHappyなコトがあったら嬉しいな、と。
〔シ〕 そうですねー。逆に何を書こうかブログで考えすぎちゃうと、自分の素直な気持ちを出せなかったりバランスが…。
〔イ〕 顔が見れない、直接話が出来ない分、いっそう言葉には敏感になりますよね。
インタビューを含め、レシピブログで出会ったみなさんは、ナチュラルで本当に素敵な方たちばかりで。
私もレシピの話以外でもみなさんに学ぶことが多く… 女子力上げてかなきゃ! って思います(笑)。
ちょっと熱くなってしまいましたがー。
顔が見えないからこそ、もし、私がこの言葉を誰か知らない人から言われたら…
想像力と品性のあるコメント、それもブログを楽しむためのマナーの大切なひとつだと思うのです。
次回後編は6月6日です。 お楽しみに〜!