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レシビブログインタビュー:recipe & life「おいしい暮らし」前・後編  毎月二回更新
第43回目 まかないカレー ナイル善己さん 後編
まかないカレー ナイル善己さん  へ

2011.08.19up text:rumiko igaki  photo:yoshimi nair



〔インタビュアー(以下イ)〕  後編も引き続き、よろしくお願いします。高校を卒業してからインドに修行に行かれたんですよね?


〔ナイルさん(以下ナ)〕  まずは日本で包丁や調理の最低技術を学ぼうと、イタリアンに勤めました。それからインドの親戚に、「善己君におススメの学校があるよ。」と紹介してもらい、インドの高級ホテルの中に料理学校が入っているところで勉強をしました。 勉強しつつ、ホテルで働けるという面白いシステムでした。
高級ホテルなのでインド料理以外もコンチネンタルとか中華とか色々な料理があるんですけど、僕の場合、コンチネンタルや中華を学んでもしょうがないので「インド料理だけにしてくれ。」と、特別コースを作っていただいて。
1年間ずっとインド料理ばかり学んでいました。 昼間は調理の基本などの勉強をして、夜はホテルで働かせていただきました。何ヶ月間ごとにインド料理のセクションをまわって、南インド料理、北インド料理とかインド中の料理を教えて貰いました。
でも、最初は言葉の壁が大変でした。ヒンズー語はさすがに分からなくて、「プラータ、プラータ」って言われて何だろう?って思ったら「プレート」だったという…。
お皿一枚持って来て、と言われて分からず何往復もしました。


〔イ〕  インド料理を学んでみて、日本の料理との違いってありましたか?


〔ナ〕  醤油などの調味料は使わず、スパイスだけで味を作るのが面白いですよね。たまねぎやトマトをベースに、スパイスで味や香りを付けていくんです。 インドに行くと必ず食べる、チキンマサラやダールっていう料理があって。どこの店で頼んでも味が違うんですよ。インドでは、家庭でも奥さんがスパイスを配合していますし、スパイスはインドのお袋の味だと思います。


〔イ〕  インド料理はまさにスパイスが決め手なんですね。では、ちょっと話を変えて、普段の1日の過ごし方を教えていただけますか?


〔ナ〕  朝は自転車でレストランまで出勤しています。店に着いて着替えて掃除をして、厨房へ行って全体のチェック。朝のチャイを1杯飲んで、電話の対応、FAX、メールなど雑務をこなして11時半開店です。14時くらいまではホールに出てそれから休憩。まかないを食べてまた、チャイを飲んで夜の営業です。21時半くらいに、営業が終わり、お疲れ様でした! 家に帰るのは22時半くらいで、ブログをやる時はそこから料理を作り始めてアップして、夜中の2時くらいになります。ちなみに夜ごはんは店で食べるか、どこか帰る途中で食べます。


〔イ〕  お店のお休みは?


〔ナ〕  週1ですね。


〔イ〕  なかなかご家族で過ごされる時間が少ないですね。ナイルさんは、家ではどんなお父さんですか。娘さんはお店に興味を持っていますか?


〔ナ〕  今のところは将来は、お花屋さんになりたいって言っていますね。カレー屋と変わらないような気がしますけどねえ(笑)、何とか屋さんなら。お店は本人がやりたいと言えば…でも、僕も小さい頃は、パイロットになりたいって言ってましたからねー(笑)。



〔イ〕  ナイルさんご自身はどんなお子さんと言われていましたか?


〔ナ〕  元気な子でしたね、あまり家に居ないよねって。小さい頃、親父のレシピを真似して家でカレーを作ったことがあったんですよ、見よう見まねで。でも出来上がったのが美味しくなかったんですよ。同じように作ったはずが! 親父が夜帰ってきて食べたら、「これ、俺のレシピだろ」ってすぐ気が付いて。その後、何を入れたか分からなかったんですけど、ひと工夫、ふた工夫加えたら劇的に味が変わって、「あ! 美味しい」って。子ども心に親父ってすごいと思って、びっくりしました。


〔イ〕  まるで、お父様の魔法のようですね! そういえば、「東京スパイス番長」のブログもありますが、スパイス番長の活動はどんなことをしているか教えてください。


〔ナ〕  スパイス番長は仕事などでスパイスに関わっている人たちが集まってスパイスの研究をしています。毎月1回、集まって料理を作って食べて、スパイスについてあーでもないこうでもないと話をしています。料理を作る時は“必ずスパイスを使う”“旬の食材を使う”という決まりごとを設けています。最近では年に1度、みんなでインドにカレーを作りに行っています。


〔イ〕  凄いですね、インドで食べるだけではなく作りに行くとは…!


〔ナ〕  日本とインドで手に入る食材やスパイスが違うので、今まで日本で研究してきたことがインドで作るとどうなるんだと、思ったんです。
やっぱり、美味しいんですよね! テンションが上がっているのもあるんでしょうけれど。鮮度がいい食材や生のハーブも豊富で、油もココナッツオイルやギーという動物性の油を使用して作ります。


〔イ〕  スパイス番長で誰がどの役割って決まっているんですか?


〔ナ〕  特に決まってなくて、だいたいいつも呑みながら話をして、誰かが言いだしっぺになってここ行きたい! と言ったらみんなもじゃあ、行こうか、とかそんな感じです。


仕事に、趣味に、仲間との活動と日々、充実しているナイルさん。そんなナイルさんが生活の中で大切にしていることは…
「立ち仕事なので体力をつけるために、なるべくエレベーターを使わないで階段を使うようにしています。あとは三食きっちり食べる、チャイでもちょっと調子が悪い時はしょうがを入れたり、甘いものがほしい時はカルダモンを多めに入れたりと日常にもなるべくスパイスを取り入れています。」
と、すべて仕事のために身体を日々出来る範囲で整えていること。プロフェッショナルな姿勢を感じます。


〔イ〕  すごく、健康的ですね。


〔ナ〕  この10年風邪を引いてないですね。風邪の始めでも二日酔いでもカレーを食べてすぐに元気になっちゃいます!


〔イ〕  ナイルさんの話を聞いていると、とてもカレーが食べたくなってきました(笑)!


最近では、ナイルさんに会いに来られるお客様との交流が嬉しく、「お客様が年を重ねていくのを見ながら自分達も成長し、このレストランを見守れる自分が楽しい」そうです。「この先何十年も変わらずレストランを守っていくのが使命」と語るナイルさん。
そんなナイルさんからこの夏おススメのインド料理の本が発売中です。スパイス使いを分かりやすく、でも本格的に。
レシピ通りに作ればお店の味に! 「ナイルレストランが教える はじめてのインド料理」 私もさっそく、基本のカレーから習得します♪ もちろん、たまねぎはよく炒めますよ〜!
次回レシピブログインタビューは9月2日(金)アップ予定。「*3兄妹ママのお弁当ブログ*」ゆりんさんの登場です。お楽しみに!



ナイルさんのおススメレシピ「タンドリー風バーベキューチキン」
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