Kroppkakor/ クロップカーコルby ルッセカットさん
【料理紹介】
「スウェーデンの代表的な料理って何?」と尋ねられて、私が一番最初に思い浮かぶのがkroppkakor(クロップカーコル)です。少し大げさですが、初めて食べた時にクロップカーコルとは衝撃的な出会いでした。オールスパイスという強くて不思議な風味を持つ香辛料で味付けされた具(塩漬け豚肉と玉ねぎ)を、じゃがいもで作られた弾力のある生地で丸いお団子状に包んだ食べもの。「スウェーデンには知らないけれど素敵な食べものがたくさんあるんだ!」「スウェーデン料理についてもっともっと知りたい!」と思わせてくれた一皿です。特に南スウェーデン(ブレーキンゲ地方、スモーランド地方、エーランド島、ゴットランド島)でよく食べられる料理です。
クロップカーコルはあつあつの茹でたてを頂く料理。茹でたらすぐにlingonsylt(リンゴンベリー・ジャム)を添えて食べましょう。さらに溶かしバターや生クリーム(ホイップしないそのままのもの)をかけることもあります。
オールスパイスはスウェーデン料理の中で度々使われるスパイス。強い独特の味と香りがします。オールスパイスが好きな人はレシピに書かれているよりもさらに多めに入れる程、虜になってしまう魅惑のスパイスです。
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【人数】:4人分
【調理時間】:1時間以上
【材料】 |
じゃがいも(メークインなど) |
500g |
卵 |
1個 |
薄力粉 |
60g |
塩 |
小さじ 1/2強 |
(片栗粉) |
生地を試し茹でしてみて崩れてしまったら、大さじ1/2程度入れる |
厚切りベーコン |
100g - 0.5cm角くらいに切る (フィリング用) |
玉ねぎ |
中1個 - みじん切りにする (フィリング用) |
オールスパイス |
小さじ1/5程度 - すり鉢などで潰しておく (フィリング用) |
炒める際のバター |
必要であれば適宜 (フィリング用) |
リンゴンベリー・ジャム |
適量 (いただく際に) |
溶かしバター |
適量 (いただく際に) |
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【作り方】
- 前日に:
鍋に水を入れじゃがいもを皮付きのまま柔らかくなるまで茹でたら水を捨て、皮をむいてボウルの中でマッシュポテト状に潰し、あら熱がとれたら冷蔵庫に入れて一晩寝かせておく
- フライパンでベーコンと玉ねぎを炒める (必要であればバターを軽くひいてから)
- オールスパイスで味付けをして軽く炒め、火からおろして完全に冷ます
- じゃがいもを冷蔵庫から取り出してすぐに、溶き卵、薄力粉、塩を加えて混ぜ、軽くこねてひとかたまりにまとめる (あまりこねすぎないよう注意)
- 打ち粉(薄力粉・分量外)を振った台の上で生地を軽く丸め6等分する
- それぞれの生地の中心に大さじ1程度の量のフィリングを入れてボール状にクロップカーコルを形作る (手に薄力粉をまぶすと作業しやすい)
- 大きめの鍋にたっぷりの水と塩(お湯2Lに対して塩大さじ1強)を入れて沸騰させたら、火を弱めてクロップカーコルを静かに入れ、ふたをせずに茹でる (火が強いと崩れてしまうので中火から弱火で)
- クロップカーコルが水面に上がってきてから5分程度茹でる
- 茹で上がったらお皿にのせてリンゴンベリー・ジャムや溶かしバターを添えてあつあつを頂きます
【ワンポイントアドバイス】
* 上記分量で約6個分
* フィリングも前日に作っておくと良いです (冷蔵庫に入れておく)
* メークインのような煮崩れしずらいタイプのじゃがいもを選びましょう。
* スウェーデンでは塩漬けした豚肉を使うのですが、日本では手に入りにくいのでベーコンで代用可能です。燻製の香りがあまり強くないものが良いでしょう。パンチェッタ(塩漬け豚肉)が手に入ればパンチェッタを使って下さい。
* オールスパイスは味と香りが強いので最初 はレシピ通りの小さじ1/5程度を入れて味見してみて下さい。授業で調理実習中に、このレシピ通りではオールスパイスの味が全然足りないと満場一致。大さじ1/2弱程度入れて美味しい、という結果になりました。クロップカーコルの本場、ブレーキンゲ地方出身とスモーランド地方出身の先生たちもオールスパイスの味はこのくらい効かせるべきとのこと。量はお好みで調節して下さい。(オールスパイスがなければ黒こしょうを使っても良いですが、オールスパイスはクロップカーコルの味の要なので、ぜひ入手して下さい。)
* リンゴンベリージャム(コケモモのジャム)はぜひ輸入食材店やスウェーデン食材が手に入るお店などで入手して下さい。スウェーデン料理には欠かせない食材です。
* 3の段階で、生地を少量丸めて試し茹でをしてみて、崩れてこなければクロップカーコルの生地は成功。崩れてしまったら、片栗粉を混ぜ入れた生地を作り、再び試し茹でをしてみましょう。