【WEEKEND FLOWER】月が美しい季節はマムが美しい季節でもあります。古来から不老長寿を願う高貴な花とも言われるマムは、秋が深まるこれからがまさに旬!かわいいマムからクールなマムまで人気急上昇中のマムの魅力をご紹介、身近な食器に飾ってみましょう♪
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マムとは「菊」の英名の「Chrysanthemum(クリサンセマム)」の略で、"黄金の花"という意味があります。黄金の国ジパングをイメージしたのでしょうか?!
江戸時代後期に欧米に渡り、革新的な品種改良により華やかな花姿に生まれ変わり世界中で大人気に!万国共通の「MUM(マム)」という名前を得て、日本に再上陸したのです。
日本は、世界一の生産量と消費量を誇るマム(菊)大国!そしてマムの最大の魅力は、花持ちの良さと、豊富なバラエティです。
今年の中秋の名月は10月4日。
ぽってりとした温かな白い器に秋色のマムとススキをあしらえば、ほら、お月見の花あしらいに。
【花材】
*マム(赤のデコラ咲き) 1本
*マム(ベージュのデコラ咲き)1本
*ワレモコウ 少々
*紅スモモ(紅葉の枝)少々
*鷹の羽ススキ 1本
*陶器のボウル
*切花栄養剤 小袋1袋
【アレンジ方法】
1. 500mlの空のペットボトルなどを活用して切花栄養剤を正しい濃度に希釈します。器の7分目くらいまで切花栄養剤入りの水を入れます。
2. マムを器の高さにあわせてカットし、水に浸かる部分の葉を取り除きます。(葉が水に浸かると水が早く傷む原因になります)
3. 器の縁にマムを引っかけるように口元にあしらいます。
4. 小分けにしたワレモコウ、紅スモモの枝を活け、最後に鷹の羽ススキの穂と斑入りの美しい葉を長めに飛ばせば完成です。
※アレンジの下にお盆やトレイなどを敷くだけで「しつらえ感」が出ますので、和風のアレンジには特におすすめです!
和菓子などが入っていた「竹かご」もお月見アレンジの器にすると素敵です。
黄色のマムたちが輝く月のようですね!紅葉の枝や栗の毬を添えれば、季節感もさらにアップします!
小さな器に水を入れて竹かごの中にセットするか、もしくは吸水性スポンジを小さくカットしたものを使用すると安定して活けやすいでしょう。
【花材】
*マム(オレンジ系の大輪)1本
*スプレーマム(黄色ポンポン咲き)1/2本
*リコリス 1本
*紅葉の枝(ナナカマド、紅葉ヒペリカムなど)少々
*栗の毬
グラスやデザート用のガラスの器に、1本のスプレーマムを小分けにして、季節の花材とちょこっと合わせるだけ!
デコラ咲きのスプレーマムなら1本でもボリュームがあります。
秋の味覚を楽しむひとときも、小さな花飾りがテーブルにあるだけで気分が違いますよ♪
【花材】
スプレーマム(デコラ咲き)1本
ベビーバンズ(キイチゴ)の枝 少々
パ二カム(穂)1本
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大輪のマムの中でも「古典菊」の血を引く品種がありますが、このシックな色合いの「クラシックココア」という品種も、昔から“厚物(あつもの)”と呼ばれ親しまれてきた古典的な花型のひとつです。豪華でクールな和モダンの世界、一輪でも迫力がありますね。
【花材】
*マム「クラシックココア」 1本
*赤ドラセナの葉 1枚
ガラスの器の中に、ドラセナの葉を一枚沈めるだけで、器の表情が変わり、マムの茎も外から見えず一石二鳥。栗の毬を転がして秋の風情をプラス!
秋の夜長に、とっておきの日本酒が飲みたくなるような花あしらいですね。
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東南アジアの旅先で買い求めた、色鮮やかな器にもマムはぴったり!
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身近な食器×マム、のアレンジをいくつかご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?!マムは、濃い緑の葉や節がごつごつした茎が見えると「菊」っぽさが前面に出ますが、短めにカットして、“美しい花の集まり”に見せると印象がすごく変わります。
カラーバラエティも豊富でかわいらしく、お値段もお手頃。しかも花持ちが抜群!なマムは、ご家庭で楽しむ花として本当にオススメ!!ぜひたくさんの種類が出回るこれからの旬の時期に、いろいろなマムを手に取って楽しんでいただけたらと思います。
◆もともと日持ちの良い花ですが、切り花栄養剤の使用で大きく色鮮やかに、一層長く楽しめます。
◆暑い時期は3日に一度くらいの頻度で水替えし、茎を切り戻しましょう。
キク科のマムは今や全世界で愛されている花のひとつ。花言葉は、「高貴」「あなたを愛します」など…!
「菊」は、いにしえの昔から高貴な花と称されてきた日本の国花。高貴な花ゆえに“最高の敬意を払う”という意味で仏事に供えられることが多く、人々の先祖を敬う心とともに受け継がれてきました。
日本では古来から、奇数月のゾロ目の日、例えば3月3日、5月5日などを「節句」として邪気を払い健康を願う風習があります。
これらはもともと中国からもたらされたもので、中国では奇数は縁起のよい「陽の数」とされ、9月9日は一番大きな陽の数、9が重なることから「重陽」と呼ばれています。
平安時代から宮中行事として始まり、不老長寿を願って宴が催されました。菊の花を浮かべた「菊酒」を酌み交わし、菊の香りを綿に移して身を清める「被せ綿」などで、邪気を祓い、不老長寿を願ったのです。ゆえに重陽の節句は「菊の節句」とも言われています。五節句の中では最も盛大だったといわれています。
やがて菊を愛でる風習は庶民に広がり、秋になると丹精こめて咲かせた菊の花の美しさを競う「菊花展」が各地で催されるようになりました。ちょうど11月3日の「文化の日」あたりは「菊花展」の最盛期。昔ほどの規模ではありませんが、日本の伝統文化のひとつとして今でも各地で受け継がれています。
そんな菊の伝統や、現代のマムの魅力をもっと多くの方に知ってほしいと、マムの生産者さんたちを中心に「1106=いいマム」と語呂合わせで、11月6日を「いいマムの日」にしようという動きに!1年中出回るマムですが、旬を迎えるこれからの季節に、ぜひご自宅で楽しんでみてくださいね♪
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※上から3番目、8番目の画像はカメラマン吉原重信氏撮影、上から5番目の画像は『乙女の花いっぱい素材集』より、アレンジ作・小川典子
TEXT&PHOTO,STYLING NORIKO OGAWA (Flowering Japan Council)
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