2017年7月をもって連載を終了させていただきました。
たくさんの方にご愛読いただきましてありがとうございました。

<薬膳の基本>春の薬膳 〜肝〜

  
春分の日も過ぎ、桜の開花宣言も南の方からだんだん北上してきて
いよいよ春も本番になってきました。

薬膳では季節ごとに気候や体の変化に合わせた食養生があります。

<薬膳の基本>季節と五臓〜腎〜
↑こちらの記事でその基本となる考え方、「五行説」についてお話しています。
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春になると日が長くなるとともに「陽気」が増えてきます。

人間の体の気も上に外にと伸びやかに、盛んに動き出します。
そのため、新陳代謝も活発になり、デトックスにも最適の時期です。

また、春の邪気は「風」ですが、春一番というように
春先は風が強い時期です。

風邪(ふうじゃ)によってウィルスなどが体に入りやすくなったり、
アレルギー反応が起きやすくなったりします。

外の風が感情を揺らすので、感情の変化が大きくなったり、
イライラして怒りっぽくなったりします。
よく五月病と言われますが、生活環境の変化だけでなく、
風邪(ふうじゃ)の影響もあるのかもしれませんね。

春に注意しなくてはならない臓腑は「肝」です。

(<薬膳の基本>季節と五臓〜腎〜参照)

「肝」のケアのポイントは「興奮させすぎない」ことと「血」を補うの2点です

春は陽気が盛んになるので「肝」が興奮しやすく、のぼせや頭痛、高血圧、
イライラしやすい、目の充血、知恵熱、顔のむくみ、鼻炎などの原因に。

暖かくなると、体内の働きも活発になるので「血」を消費するようになります。
すると「肝」の血が不足して、目のしょぼつき、こむら返り、足がつる、よく夢を見るといった不調が出ます。

そこで、春の薬膳のポイントは

①風邪の侵入を防ぐ

②「肝」の興奮を抑える

③「肝」の血を補う


となります。(食材例は下にあげてあります)



春青

五行だと春に対応する色は青で、味は酸なので、
肝にいいものは緑の葉野菜や山菜そして酸味のものです。

特に山菜は解毒作用があり、「肝」の働きを助けるのでおすすめです。

<春におすすめ薬膳食材>
①解表類:紫蘇、しょうが、ネギ、ミント、葛

②清熱・理気:セロリ、セリ、オレンジ、豆腐、ズッキーニ、えんどう豆、蕎麦、小麦、緑茶

③養血:ほうれん草、にんじん、葡萄(レーズン)、イカ、赤貝、レバー、落花生

 滋陰:小松菜、イチゴ、アスパラガス、クコの実、白キクラゲ、松の実
     牛乳、ヨーグルト、豚肉、ホタテ


次回は春の薬膳レシピをご紹介しますね。

今日も見てくださってありがとうございました!
よかったらブログの方も遊びにきてくださいね♪

SAI dining* http://ameblo.jp/fani0912/
ブログではもう少し「肝」のことや季節のことを薬膳的に解説してます。

清水えり

中国政府認定資格である国際中医薬膳師の資格をもつ。身近な食材でおうちで簡単にできる薬膳をモットーに、中医学の理論に基づいてパーソナルな体質に合わせた料理や献立の提案が得意。定期的に料理教室「La Table de Eri」を開催。

ブログ「SAI dining」も好評執筆中。

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